なぜに、ここに至るまでしても胃カメラを嫌がってしまうのでしょうか
2023/09/03
この画像は、物が飲み込みずらいという理由で当院にて上部消化管内視鏡検査をした方の食道の内視鏡画像です。通常であればこの画面はホースを覗くようにずっと先が遠くまでほぼ丸く見通せるものですが、この方は画面左下の大部分を占める腫瘍によって8割ほどの内腔は10cmほどの長さにわたり塞がれてしまっています。この状態であれば食事を飲み込むのは相当な苦痛を伴うはずで、徐々に症状が悪化していく恐怖感とも合わせて、すぐに調べてもらいたいとなるはずですが、それを上回るほどの胃内視鏡検査に対する忌避感をお持ちの方でした。どうも依然に受けた検査のトラウマがあるらしく、長い間我慢しながら、検査が楽にできる医療機関を探しぬいて当院にたどりついたようです。
当院では患者さん個人個人のこのような背景や年齢、全身状態、精神状態、そしてご本人の希望に応じて鎮静剤の種類や投与量を微調整しながら内視鏡検査を行っております。もちろん全く鎮静剤など不要として、難なく口からの検査受けられる方も多数おりますし、現在当院では鼻からの検査では基本は鎮静剤を使用しておりませんので、本当に苦手な方は一部とは思われます。さて、上の患者さんは希望通りのしっかり目に鎮静剤を使用した結果、検査後には「全くわからないうちに検査してもらって有難かった」として感謝しておりましたが、同時に厳しい病状を知ることにもなり、その表情は複雑でした。
過去につらい思いをして内視鏡検査を受けてその記憶がどうしても恐怖としてよみがえってしまう方や喉の知覚が極めて過敏で嘔吐反射が盛大に出てしまう方などが確かに一定数いらっしゃって、その方たちのお気持ちもよくわかります。しかし検査に逡巡し病気の発見が遅れること、すなわち治療開始が数か月違うと、疾病によてはその予後に大いに影響することになりますので、冷静にお考え下さい。当院としましてはそのような方にも、できるかぎりの寄り添った検査を心がけております。
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