当院の
胃内視鏡(胃カメラ)検査
鎮静剤を用い苦痛の少ない内視鏡検査を行います。
当院は、口または鼻から内視鏡を挿入し、食道から胃、十二指腸までの粘膜を観察いたします。
必要に応じて病理検査を行います。この検査によって炎症や出血、ポリープや悪性腫瘍の有無など診断することができます。
検査時間の目安は10分程です。胃カメラは午前中のみです。
予約が空いていれば、ネットでは前々日までの予約に対応いたします。
なお、電話、ネットでの検査予約の方で当日初めて医師の問診を受ける方で、検査不適応と判断され検査中止となることがある事をご了承ください。
検査の流れ
検査の前日
検査の前日は21時までに夕食をお済ませ下さい。夕食後も水やお茶等は飲んでいただいて構いません。
寝る前の薬も服用していただいて結構です。
当日の朝
うっかり、朝食を摂らないように注意してください。朝の定期処方がある方は検査予定の3時間前に内服を済ませてください(なお、糖尿病の方は別途指示します)。少量の水分摂取は許可します。
来院
ご予約時間の30分程前にご来院ください。来院後は、胃の中の泡を消すお薬を飲んでいただきます。
その後に喉もしくは鼻の麻酔を行い、希望者には苦痛を軽減するための鎮静剤の注射を行います。
検査時間の目安は10分程です。
検査後
お一人用のプライベート空間(個室)で少し休んでいただいてから、内視鏡で撮影した画像を見ながら検査結果についてご説明いたします。
なお病理組織検査を行った方は1週間ほど後に再受診していただいて、結果説明をいたします。自動車やバイク、自転車でお越しの方は、鎮静剤を利用した検査を受けていただくことはできません。
予めご了承ください。
料金表
1割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
胃内視鏡検査(観察のみ) | 1,600円前後 | 4,700円前後 |
胃内視鏡検査 + 生検 + 病理組織検査 | 3,000円前後 | 9,000円前後 |
※金額はあくまで概算です。また、血液検査などの事前検査分は含まれておりません。
胃内視鏡(胃カメラ)検査
での疾患例
以下に示す症例はいずれも私がここ数年以内に診断、治療に携わった患者さんです。
食道
食道裂肛ヘルニア
高齢者で、円背の方に多く認めますが、若年者でも肥満や長時間のデスクワークでの不良姿勢から発症する方も多いようです。(自宅の座椅子でパソコンする方などは要注意です。)
逆流性食道炎
食道裂肛ヘルニア(①)ともセットで認めることが多いですが、売薬では無効な強い胸やけの症状の方が多いです。また難治性の咳の原因がこれであったということもよくあります。ただし、P-CAB等の新しい制酸剤が非常に効果的です。今後日本でピロリ菌感染者が徐々に減って、胃酸の分泌が多い人々が増加すれば、食道炎の患者も確実に増加が見込まれています。
食道静脈瘤
今やC型肝炎が内服薬のみで根治できるようになり、その進行した病態である肝硬変の一症状である食道静脈瘤もだいぶ減少してきました。ただし、ひとたび上記写真のような食道下部の血管から出血すると現在でも致死的なこともあります。
食道癌(stageⅠ以下)
通常の白色光(上段)を用いた観察では平坦な病変はうっかりすると見落としやすいですが、このモノクロのような狭帯域光観察(下段)を用いるとbrownish areaとして病変部がより明瞭に区別され、診断補助となります。なぜ境界が重要かということですが、今では早期食道癌は侵襲の多い開胸・腹手術からESDという内視鏡的切除術が中心になり、その術前診断(想定深達度、病変範囲)が大変重要となるからです。
食道癌(stageⅡ以上)
正常な食道粘膜は内視鏡観察中にヨードを散布しますと茶褐色に染まりますが、腫瘍部は染まらないことを利用して境界をより明瞭化する方法がこの3症例で示しております(下段)。なお③の症例では癌により内腔が狭く固くなっておりファイバースコープはこれ以上通らない状態です。食事も同様ですから、ここまで我慢せずにやはり早めの受診が必要です。
胃
腸上皮化生
簡単に説明すると胃がピロリ菌に侵されて萎縮性胃炎となり、さらに変性進行して粘膜構造が腸に似てきた状態で、肉眼では細かい凹凸が出現し胃癌発生の準備状態とも言える状態です。
胃潰瘍
現在では効果的な制酸剤広く浸透したためにだいぶ少なくなりましたが、貧血精査中の高齢者で時々このような大きな良性潰瘍を認めます。
痛み止めや抗血小板薬を長期内服している方に多いです。この例のように潰瘍辺縁がシャープなことから癌との違いは内視鏡観察だけで容易です。
胃腺腫
通常観察(①)では一見するとかなり不明瞭ですが、特殊光のNBI観察(②)やインジゴカルミンという色素散布(③)を組み合わせることでより認識しやすくなります。
癌化する可能性がありますので内視鏡治療(ESD)の適応となることが多いです。
早期胃癌
このように様々な部位で、様々な形態で発見されますが、現在では、内視鏡を用いたESDが治療の第1選択であり、より進行度が進んだ患者さんには開腹手術ではなく腹腔鏡下手術が第2選択となります。
このように患者さんにかかる負担は以前と比べ大変少なくなりました。そのためにもいかに早期発見するかが重要となります。
進行胃癌
これら進行癌となってしまった患者さんの手術の際には術前術後に補助化学療法が標準で行われるようになってきました。薬剤、投与方法、その組み合わせなど少しずつですが年々確実に進歩し、生存率の向上につながってきております。
スキルス胃癌
上図どの症例もそうですが、広範囲に胃の壁が厚く硬く癌細胞に侵されてしまい、内視鏡観察中にいくら空気を送っても胃内腔が広がってこないという特徴があり、内視鏡の故障かと一瞬戸惑うこともありますが、冷静に観察すれば、診断はつきます。それゆえ、以前は胃透視検査でしか診断できないと揶揄されたこともありました。ただし、現在でも極めて予後不良です。
胃噴門部癌
このように癌が胃から食道方向へ高度に浸潤する場合には術前診断によっては開腹だけの操作でなく、胸腔からの操作も必要となることもあり、その場合手術の難易度や体への負担が極端に上がります。
胃悪性性リンパ腫
かつては外科で開腹手術を行っていましたが、今では血液内科にて化学療法を行うことが標準治療とされています。分類によって治療法が異なり、ピロリ菌の除菌が著効する種類もあります。
胃GIST
胃の内側の粘膜層ではなく、筋層から発生する腫瘍性疾患です。したがって通常の内視鏡下での生検では診断がつかないことが多く、術前にCT、MRIにて診断します。
胃癌自然経過例
この患者さんは初回内視鏡時にわずかに隆起した不整形の潰瘍病変を認めたため早期癌を疑っておりましたが抗凝固剤を内服中の為に生検できず、再検査指示をしていた方です。その後に他疾患にかかり次の内視鏡検査まで結果的に3年経てしまったために、写真のように進行癌となって発見されてしまいました。現在の日本ではではコロナ禍のおり、検査遅れでこのような例が無いように祈るばかりです。
十二指腸
十二指腸腺腫
ここは十二指腸第2部という場所になりますが、この部位にはあまり病気は発生いたしません。しかし、まれにこのような疾患を認めることがありますので、内視鏡医はここまでしっかり観察する必要があります。
咽喉頭部
喉頭蓋嚢胞
ハント症候群(反回神経麻痺)
このあたりの部位は耳鼻科との境界領域になります。この写真はいずれも良性疾患ですが、喉の違和感を訴えて消化器科を受診して内視鏡検査を行うと、咽喉頭部に異常を認める方も時々いらっしゃいます。ですから喉の違和感を訴えて内視鏡検査を行う場合には嘔吐反射が少なく、咽喉頭部の観察もしやすい経鼻内視鏡での検査をお勧めします。
まとめ
まとめとして重要なことは胃癌の場合には早期、進行いかんにかかわらず、ほぼ多くの癌が委縮性胃炎もしくは腸上皮化生という胃の特殊な変性の後に発生しているということが重要です。そしてその原因はご存知の方も多いと思いますが胃の粘膜に住み着くピロリ菌という細菌によりもたらされます。ですから、まずは胃内視鏡検査を受け、萎縮性胃炎の疑いがあるかどうか、そしてその場合にピロリ菌検査まで積極的に検査をしてくれるクリニックかが重要です。その理由として保険診療では、内視鏡検査を行わないとピロリ菌検査は認められない制約があるからです。そしてピロリ陽性だった場合には除菌治療を行い、必ず除菌成功までを確認してもらう必要があります。
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