ステラ胃・大腸内視鏡クリニック

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お知らせ

やはり恐ろしいスキルス胃癌

2023/05/21

先日、当院に40代前半の女性の方が食欲不振で来院されました。この方は1から2年前に胃のバリウム検診で異常なしだったとのことで、急ぐことなく1か月後の胃カメラの予約と一般的な胃薬処方で帰宅となりました。その数日後に突如再来され、処方した錠剤も通らずに吐いてしまうとのことで緊急枠で胃カメラ検査をしたのが、下の2枚の写真の画像です。

胃全体がむくんで、白っぽく見え、内視鏡操作の際に胃の壁が硬く厚ぼったく感じられ普段の感覚とは全く異なる感触が手に残り、いくら空気を入れて胃を膨らまそうとしても視野が開けてきませんでした。そして胃の出口へ行くにしたがって更に狭くなっていき、途中で胃カメラはそれ以上の先には進めなくなってしまいました。そして通常の腫瘍ならば明瞭に境される病変範囲が不明瞭でした。とりあえず病変らしい箇所の生検組織を採取し、ピロリ菌検査陽性の確認をし、直ちに後方支援病院へ紹介し、入院となりました。

 

その後、当院での生検組織でも転院先での胃カメラ再検査での組織診断でも診断がつかず、深く掘るような特殊な生検組織検査でようやく診断がついたそうです。そしてCT検査では病変は胃の壁からかなり深く浸潤し、体内に広範囲に広がっている「スキルス胃癌」の診断が下されたようです。

 

この方の胃のバリウム検診時から急激に進行したものか、バリウムでは診断が困難であったかはわかりませんが、重要なのはピロリ菌に感染した萎縮性胃炎が背景にあり、そこからスキルス胃癌が発生したということがポイントです。スキルス胃癌の初期での診断は大変難しいと言われており、またかつては原因不明とされてましたが、やはり多くはピロリ菌感染の胃から発生するようです。もっと以前に内視鏡で診ていたらピロリ菌に感染した胃である診断は容易であり、通常であればピロリ菌の感染確認検査をした後に除菌治療がおこなわれます。そうするとその方の発癌リスクはグッと下がります。そして除菌成功してもその方の発癌リスクが高いと判断された場合には当院では半年間隔での頻回な内視鏡検査を指示しております。

 

胃癌はもはや子宮頸癌と並んで、感染症を背景とした予防できる癌となりました。ご自身がピロリ菌に感染しているか確認せずに漫然と数年おきにバリウム検診だけしていれば大丈夫であろうという他人まかせの安易な判断は、場合により人生を失う手痛いしっぺ返しをくらう可能性があります。当院におきましては、内視鏡検査時にピロリ菌感染を疑う胃であった場合には積極的にピロリ菌の検査を勧めておりますが、検査の希望があれば配慮いたしますのでお声掛けください。

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