ステラ胃・大腸内視鏡クリニック

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お知らせ

痛み止めを長期間内服されている方はご注意を

2022/07/21

 先日、検診で胃カメラをやった患者さんに関して驚くべき事を経験しましたのでここに記載します。その方は50歳代の男性で、問診上も見た目も健康に問題なく、検診ですから腹部になんの症状も無い方でした。その方の内視鏡写真を載せます。1枚目は胃の出口付近の遠景像ですが、多数の小円形発赤と大きな潰瘍があるのを確認できます。2枚目はその潰瘍の近接写真ですが、その潰瘍はかなりの深さがあるのがわかると思います。今ではだいぶ少なくなりましたが、良性の潰瘍であっても場合により胃に完全に穴が開く穿孔や太い血管の近くにあれば大出血することもあり、重篤な状態になる可能性があります。

 胃潰瘍の原因として第1にはヘリコバクターピロリ菌がありますが、若い方ではその保菌はかなり少なくなってきており、この方も陰性でした。第2として最近とくに話題となっているのが、薬剤性であります。事実、この方も整形外科医から半年という長期にわたり消炎鎮痛剤を処方され内服してたそうです。「ああ、薬の副作用だったんだ、それはしょうがなかったね」となりそうですが、実はこの先生は胃に対する副作用予防薬をしっかりと同時処方されていたのです。しかも一般的な整形の先生方は、レバミピドなどの粘膜保護薬という効果の弱い胃薬を処方することが多いですが、この先生は一歩進んでPPIという強力な制酸剤で胃潰瘍の予防効果に優れた処方をしていたのです。私達消化器を扱う医師の多くはどこかで、「PPI(PCAB含む)を出しておけば、まあ安心」という意識がどこかにありますが、今回の症例から「PPI内服中でも胃潰瘍ができてしまった」事を経験し、その緩んだ常識が脆くも崩れた衝撃がありました。

 つまり、PPIという強力な胃薬を内服していても、それを上回って胃に障害をもたらす「痛み止め」などの原因があれば、このような無症状の胃潰瘍の事例が一般にはもっと多くあるであろうと想定され、私達処方する側も意識する必要がありますが、内服する患者さん側も消炎鎮痛剤の長期内服には気をつけたほうが良さそうです。

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