ビタミンDと大腸癌予防など
2022/05/03
私は開業前の準備期間に骨粗鬆症外来を担当する機会があったのですが、高齢のやせ型の華奢な女性は骨密度を測定してみると、そのほとんどの方が治療が必要な骨粗鬆症診断されることが多かったです。そして、その際にはビスホスホネート製剤と活性型ビタミンD3製剤をセットで処方することが大変多かったです。今、そのビタミンDが多方面から脚光をあびることになっているようで、ここで触れてみたいと思います。
まずビタミンDは、免疫システムに有益だとされており、抗ウイルス作用、抗炎症作用を有していると知られており、今回の新型コロナウィルス感染症に対してもその重症化予防に有効であるとゲノム情報を用いたメンデルランダム化解析により明らかにされたと報道されました。
また、2021年7月に消化器病学ジャーナル「Gastroenterology」で発表された新たな研究では、50歳未満の場合は、ビタミンDを多く摂取すると、大腸がんや前がん病変ポリープの発生予防に効果的である可能性が示されたと報告されました。米国では高齢者の大腸癌の発症の低下傾向が認められるが、その一因としては国をあげてのビタミンDの接種量の向上があげられるということです。
そのように有用なビタミンDですが、ビタミンCなどの水溶性ビタミンと異なり、Dは脂溶性ビタミンに分類され、サプリでの過剰摂取や医師からの安易な長期処方を受けている場合でも思わぬ副作用がでることがあります。私も骨粗鬆症外来でビタミンD製剤の長期内服者の数人に電解質異常を認める経験をしたことがあり、肝を冷やしたことがありました。ですから定期的な採血チェックが必要とされるのです。このようなビタミンDなので、やはり食品として摂取するのが理想ですから、日ごろからバランスの取れた食事を心がけるのが重要です。ビタミンDを多く含む食品としては、鮭、乳製品、牛レバー、キノコ、海藻などです。またビタミンDの体内での生成には紫外線が不可欠ですので、短時間でよいらしいので日光を浴びることも重要です。
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