おかげさまで最近では多くの患者様に来院していただいたことにより、胃、大腸いずれの内視鏡検査とも予約がかなり取りずらくなってきました。具体的には１カ月以上の検査待ちが生じております。ですので、検査を希望される方はその頃のスケジュールを考慮してご自身の手帳等をご持参し来院していただけたらと思います。先日も、「そんな先の予定はわからない」とのことでわざわざ来院したのに予約せず帰宅された患者様がいらっしゃいました。また、極めて強い自覚症状を訴える患者さんに対しましても当院では緊急での対応はできませんですので、CT,MRI検査が可能な、もしくは緊急採血してで判明結果がすぐ判明するような、もしくは緊急内視鏡検査が可能な医療機関(多くは総合病院)への受診をお勧めいたします。

以上のことから、当院と相性がよい患者さん像としては市検診希望の方、胃バリウム検査後の２次検診、便潜血陽性の精査、検診でのピロリ菌陽性を指摘された患者さんなどがあげられると思いますし、なにか消化管と関連すよるような訴えが無い方であれば、それほどの期間を待つゆとりはあると思いますので、そのような患者さんを主として、いかにつらくない検査を余裕をもって適正に施行していくかを当院のポリシーとしておりますので、これ以上の検査数の増加も見込めないのが現状です。以上ご協力の方よろしくお願いいたします。

そうはいっても当院に初診で多く来られるのは血相変えて「下血した」と来られる患者さんが圧倒的です。そして万が一の悪性疾患を考えて全例に内視鏡検査を勧めることはします。ただし、そこで重要なのは、どのくらいの出血量でいつからかとか、腹痛、熱発、下痢、粘液排出伴うかとかの情報収集が重要です。しかし、ほとんどの方はある日突然の鮮やかな少量の出血で、他に症状なしということが多く、その場合にはほぼ肛門からの出血であることが多く、落ち着いて検査まで待ってもらうことにしております。唯一、紛らわしい疾患に憩室出血がありますが、その場合には主な年齢層は中高年で、出血量も多いので、息も絶え絶えで来院し血圧も低く、顔面蒼白であることが多く、その場合には当院ではすぐに救急要請し、しかるべき入院施設に転院して経過良好であった経験が３例ありました。また肛門鏡での診察は肛門周囲の極めて狭い視野でざっと診るに過ぎず、その奥を少しも見てないことになり、他疾患の否定には全くつながらないのであえて積極的には行わなくなってきました。